- ダイハツKFエンジンの電子制御スロットル清掃
- 2019年3月12日こだわり整備
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「ダイハツのKFエンジンの電スロは清掃してはいけない」
ナリタです。
これは整備業界では通説になっているかもしれません。YouTube動画でも説明しています!
WAKO’Sさんがスロットルバルブクリーナーを発売して間もなく、アイドリング時の回転数が基準値まで下がらなくなるダイハツの電子制御スロットル車が続出したのだそうです。
理由はスロットルバルブクリーナーで清掃したあとのこの写真。
(スロットルの反対側から光で照らしています)
逆に清掃前というか、新車状態を再現したスロットルの写真がこちら。
清掃後と清掃前で、スロットルボディと弁の隙間から漏れる光の量が全然違うことがわかりますよね。
こちらがダイハツKFエンジンの電子制御スロットル
ミライース発売から採用されたらしいDENSO製電子制御スロットルですが、弁が全閉状態でボディと弁の隙間がかなり大きいのです。
樹脂が熱等による影響で、将来的に多少の変形が起こってしまっても動きが悪くならないよう、わざとこのくらいの大きな隙間という仕様なのでしょうか。
この隙間を埋めるために、モリブデンコートという隙間埋め剤が新車時から塗布されています。隙間埋め剤が塗布された状態
スロットル清掃をすると、汚れと共にモリブデンコートが落ちてしまうのです。
結果、隙間が大きくなり、アイドリングが下がらなくなるということになってしまうのです。しかし!
WAKO’Sさんのスロットルバルブクリーナーはモリブデンコートが除去されない程度の成分と洗浄力に抑えてあるのが特徴なのです。
なのになぜモリブデンコートが落ちてしまうのか?それは・・・
「ウエス等で”全力”でスロットルを清掃する」
という事が、モリブデンコートが落ちてしまう本当の原因です。
スロットルバルブクリーナーの成分的にモリブデンコートに影響は少ないと言っても、多少なりとも柔らかくなってしまうのか、ウエスで力いっぱい拭けば汚れと一緒にモリブデンコートも剥がれ落ちてしまいます。
更に、スロットル清掃時、黒い汚れが取れなくなるまで、ウエス等で思いっきり拭き拭きされているWEB記事の写真をよくみかけます。
まあ、ナリタオートでも、思いっきりウエスでスロットルを清掃した写真を使っていたりしますが。
(インスタ映えならぬ記事映えを狙ってるので)清掃前(ナリタオートで説明用に使用している写真)
清掃後(ナリタオートで説明用に使用している写真)
汚れを拭き取ったウエス(ナリタオートで説明用に使用している写真)
弁のまわりが真っ黒いスロットルから、ピッカピカに拭き上げられたスロットルは見ていて気持ちいいですよね。
それがスロットル清掃方法のイメージの逆効果になっているのではないかと思うのです。たしかに、スロットルバルブクリーナーを購入する時にWAKO’Sさんから提供されるブラシでは、あまり汚れが落ちそうにないというか、そもそも汚れを落としすぎないようにするのが目的だったのかもしれません。
WAKO’Sさんから支給されるブラシに似たもの
(支給品はボロボロに使い倒したので捨ててしまった)
スロットルバルブクリーナーとこのブラシで黒い汚れは十分落とせても、モリブデンコートが残るので、それがまだ汚れが残ってると勘違いし、隅々までウエス等で徹底的に清掃する人が多いのだと思います。
以上のことをふまえ、ナリタオートではスロットル清掃時、
スロットル清掃は歯ブラシでやさしく擦るだけ
で、済ませるようにしています。
歯ブラシは毛先が細くなっているタイプを愛用しています。
スロットルを全開にして(車種によっては開かないものもありますが)、歯ブラシでこすってパーツクリーナーで洗って終わりです。
仕上げにウエスで拭いたりはしません。
これだけで済ませれば、モリブデンコートを洗い落とす心配はほとんどありません。
もしモリブデンコートを洗い落としてしまった場合は・・・これを使いましょう!
透明パワードさんのスロットルコート
その名の通り、スロットルの隙間埋め剤です。
これを塗れば、万事解決です!
ちなみに、一般的に流通しているモリブデングリスやモリブデンスプレー等は固まらないので、スロットルコート剤としては使えません。
まとめ
・KFエンジンの電スロのモリブデンコートを洗い落とすと隙間が大きい!
・モリブデンコートを落とさず清掃するには歯ブラシ!
・モリブデンコートを洗い落としてしまったら東名パワードさんのスロットルコートで対処!