- 小山自動車さんで勉強させてもらってきました
- 2018年6月10日イベントレポート
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いきさつは4月のこちらの記事をご覧下さい。
ナリタです。
6月に突入し、女子高生達が衣替えをしています(やったね!)。
なので、それに合わせてナリタも”な”ツナギに衣替えしました。
前回、小山自動車さんを訪問させてもらってから、「小山自動車さんの工場(現場)で働いて勉強したい!」と、すごく思うようになりました。
で、無理言って6月2日に1日現場体験をさせてもらうことになりました。
会社の二代目や三代目によくある”修行先”みたいな経験は自分には無く、実質、初の修行先が小山自動車さんになりました!(イェイイェイ!)
「藤枝自動車整協同組合」という組合に所属させてもらっていますが、諸先輩とお話させてもらっていると、ほとんどの二代目、三代目の方が5~10年くらいは「修行に行った」ということをおっしゃってました。
むかしむかし、ナリタが若かりし頃、通わせて頂いた整備士専門学校「トヨタ名古屋自動車大学校」では、就活活動を全くぜずに遊んでいたゴミクソ野郎(でも成績は良かったうざいやつ)で、結局、就職をせずに笑顔で卒業しました。
(ホームページには”就職率100%”と書いてありますが嘘じゃね?四捨五入すれば100%と但書しましょう)結果、現場の常識知らずのゴミクズ整備士として30代に突入していました。
なので、この歳(2018年6月現在は34歳)になってから、今更の修行ということになりました。
小山自動車さんは最近ではNHKの”プロフェッショナル仕事の流儀”で取り上げられた事で有名な自動車整備工場さんです。
ご兄弟で工場を切り盛りされていて、ナリタは弟の博久さんに目をかけてもらっています(自慢)。
6月1日、広島は福山市に前日入りし、博久さんがわざわざ福山駅までお迎えに来て下さり、ご自宅にご宿泊させてもらう事に。
全然関係ありませんが、静岡生まれで福山育ちのグラビアアイドルの「茜さや」さんが大好きです。
道中の福山市で気になった風景写真↓↓↓↓↓
博久さんのご自宅へ行く前に、いちど工場へ寄ったところ、早速フェラーリ328GTSが整備待ちしていました。
まったくわかりません。
博久さんは「エンジンの構造なんて基本は一緒。原理をしっかりと理解していて、道具が揃っていれば直せる。」的な事をおっしゃっていました。
工場を閉め、夕飯(外食)に連れていってもらいました。
博久さん「今夜は2010年のダートラの全日本チャンピオンのお店のお好み焼きを食べに行こう」
ナリタ「え?」
全日本チャンピオンのお店、
亀甲じゃなくて「吉甲」に連れてきてもらいました。さすがチャンピオン、満席でした。
カスタム、スーパーカスタムと、メニューのネーミングがカッコいいです。
せっかくなのでスーパーカスタムを頂きました!
カスタムされ、さらにスーパーな味付けで、めちゃくちゃ美味しかったです!!!!!
この味、全日本を制覇した事に頷けます。
その後、博久さんのご自宅へ。
博久さんの奥さんの手料理を頂きながらお酒を飲ませてもらい、前回の訪問から今日までに改善した事等をお話しさせてもらいました。
ゴミクズ若造に対して至れり尽くせりで、本当に嬉しかったです(T_T)。
翌朝、朝ごはんとコーヒーを頂きました。
お勉強させてもらいに来ているのに、接待して頂いているみたいで、本当に恐縮でした。
そしてツナギに着替え、1日体験DAYスタートです!
シャッターを開けてから1時間ほど、兄の明さんは工場内の隅から隅まで、手の届く範囲をせっせと拭き掃除をされていました。
小山自動車さんはNHKの放送どおり、どこをみてもピッカピカです。
ほとんど使っていない機械でもサビてませんでした。
見習って掃除をもっと頑張ろうと心に誓いました。
博久さん「とりあえずNSXを下ろそうか」
数年放置されていたNSXの車検の依頼だそうで、エンジンが掛からない為、みんなで手押ししました。
次にMINIのF54クラブマンが来店。
「エンジンチェックランプがときどき点灯する」ということで、10台くらいある診断機(どれも10~50万くらいする)の中から、「どれにしようかな♪」的な感じでチョイスしていました。
車種に合わせて診断機を選ぶ事ができる事がすごいです。
最初にチョイスしたのがBOSCHの診断機KTS(ナリタオートも持ってるイェイイェイ!)でした。
しかし診断機できず・・・結局、数台試していました。
博久さん「KTSはしっかりしてる反面、新型車への適応が数年遅れとるからダメじゃな」
診断機の癖まで知っているのがすごいです・・・
その後、お昼過ぎまであまり来客が無かったため、工場内をウロウロと見学させてもらいつつ、博久さんにいろいろ教えてもらっていました。
ASNUのインジェクタークリーナーが置いてありました。
博久さん「インジェクターは滅多に壊れないが、噴霧状態は悪くなる。 噴霧状態が悪い場合は、だいたいクリーナーで洗浄すれば改善する。」
インジェクターは外した事すらなかったです・・・
博久さん「最高の整備設備ってわかるか?」
ナリタ「え、うーん、最新の設備をどんどん投入していくとかですか?」
博久さん「壊れていない同じ車があること」
ナリタ「な、なるほど」
普通に考えてみれれば当たり前な事かもしれませんが、博久さんからのお言葉だと、とても大切な事だと感じました。
というわけで、小山自動車さんでは廃車したりする車から”壊れていないダイレクトコイルやセンサー”等、よく壊れる部品を外して大量にストックされていました。
診断機等で故障を探求することも大切ですが、やはり”交換したら直る”という、直接的な確認方法が確実なのですね。
と、貴重なお時間を割いていろいろと教えてもらっていたところ、とあるディーラーからディスクローター研磨の外注依頼がありました。
少し昔の話になりますが、小山自動車さんのNHKの放送を見たとき、兄の明さんが研磨したディスクローターを持っていたところを僕は見逃しませんでした。
放送を見た時のナリタ「小山自動車さんもディスクローターは研磨している!ナリタオートもちゃんと研磨している!やっぱりディスクローターは研磨した方がいいんだ!」
と、めちゃくちゃ喜んでた記憶があります。
ディスクローター研磨の必要性だけは、僕は若いうちから感じていて、何年か前にスターさんのディスクローター研磨器を知り、即導入しました。
小山自動車さんが使用しているのは、海外製のめちゃくちゃ頑固なやつでした。
車上研磨機(ディスクローターを外さずに研磨するマシーン)もありました。
ナリタ「なんでこんなにお高いマシーンをいくつも導入できるんですか? 採算はどうやってとるんですか?」
博久さん「導入前に、年に何台やれば元がとれるかコスト計算しとる。」
ナリタ「そりゃ僕だって計算しますし、そのくらいわかりますってば! 導入しても対象車が少ないので、何百万の機械じゃ、少なくとも10年はかかりますよ・・・」
博久さん「導入したら近場の同業社をまわって導入報告しとるよ。」
ナリタ「え?」
博久さん「導入報告と外注で受けた場合の業者価格を伝えている。外注もたくさんくれば、1年そこらで採算がとれる。」
ナリタ「なるほど、だからディスクローター研磨の外注がきたんですね!」
博久さん「ディスクローターの研磨機だけじゃなく、うちにどんな機械があって何ができるかを、まわりの業者は知っとるけえ、同業者もお客さんじゃけ。」
ナリタ「つまりBtoBを積極的にされてるって事ですね!」
博久さん「びーつーびー?」
そんなこんなでお昼がきました。
僕のお弁当まで注文して下さっていました。
お隣さんが、ごはんのおこぼれを狙ってきてましたが、僕はあげませんでした。
食後にフェラーリが来店。
バッテリー交換でした。
博久さん「簡単じゃけ、交換しといてくれ」
ナリタ「え?ええ?」
万が一失敗しても(賠償保険等いろんな意味で)責任をとれないので、さすがに遠慮させてもらいました。。。
その前に、バッテリーがどこにあるのか・・・
って、助手席の足元でした。
博久さんはフェラーリ458のバッテリーの位置をさも当たり前のごとく知っていました。
僕は、最近整備したゴルフやA1のバッテリーの位置を探すのにすら、10分はかかってました。
明さんから「おい、このムーブのシートベルトのランプを付くようにしとけ」と頼まれ、さすがにムーブならと思い、作業させてもらいました。
端子の根本で断線していたので、端子交換しただけでしたが。
が、博久さんの工具を使わせてもらっての作業という、とても贅沢な作業時間でした。
(羨ましいでしょうイェイイェイ!)
ドライバーの先端を細く加工したもので端子を抜き取りましたが、とても作業しやすかったので、マネしようと思いました。
工場内は大量の工具、道具、テスター、工作機械がありましたが、手作り工具もたくさんありました。
博久さん「無ければ作るのは基本じゃけ」
自分もよく工具は作りますが、最近は自作できない整備士も多いのだとか・・・
15時になったので、おやつタイムです。
オイル交換で来店されたお客様からの差し入れで、美味しく頂きました!
30分ほどの休憩中、明さんから「これ貸してやるから読め」と、本を貸して頂きました。
早急に読んでお返しします!!!
おやつタイム後、車検でミニバンが入庫しました。
入庫したらすぐにリフトに乗せてタイヤを外したと思ったら、明さんが洗浄を開始。
上げたり下げたりして、隅々まで点検しながら洗浄されてました。
ナリタオートではリフトアップして洗浄するスペースもなければリフトもありません・・・
早く導入し、小山自動車さんと同レベルの車検ができるようがんばります!
まだまだ書ききれないくらい、いろいろな事を勉強させてもらいましたが、長くなっても仕方ないのでまとめます。
「技術はお金で買える」
これは口酸っぱく何度も聞かせて頂いているお言葉です。
どんなに技術がある整備士でも、指でボルトを締める事はできません。
トルクレンチが無いと、正確な締め付けトルクなんて絶対に管理できません。
工具、設備がととのって、初めて技術というものが存在します。
それを身にしみるくらい勉強させてもらいました。
小山自動車の明さん、博久さん、本当にありがとうございました。
厚かましいですが、これからも現場体験させてもらいますので、よろしくお願いします!
博久さん「真ん中にきなさい」
目つぶってる・・・
↓↓↓↓↓続きの記事です。↓↓↓↓↓
今度は大掃除に参加させて頂き、勉強させてもらってきました!
この記事の翌日、富士スピードウェイで開催されていた富士24時間レースを見てきました。