- 【自動車整備業界の神】小山自動車さんを訪問させて頂きました・・・
- 2018年4月1日イベントレポート
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(2018年3月上旬)
その日の夜、成田は、女の子との飲み会を楽しんでいた。
仕事の後の飲み会だったため、夜遅くの帰宅後、卒倒して眠った。
いつも通りお持ち帰り出来ず、いつも通り一人寂しくの帰宅だった。
翌朝、寝ぼけまなこな状態で朝ごはんを食べている成田に向かい、成田の父がしゃべった。
成田父「そういえば昨日の夜、小山自動車ってところから電話があったぞ。どうもおまえと話をしたいらしい。」
小山自動車は、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」の2015年12月7日の放送で紹介された事で有名で、業界紙にもインタビュー等で引っ張りだこな、自動車整備業界のトップクラスに君臨している自動車整備工場。
その小山自動車からの電話だった。
成田「え、意味わかんない。そういうのやめて。何かの間違いでしょ。」
成田は錯乱した。
小山自動車が成田と話をしたいという理由が全くわからなかったからだ。
成田父「どうもナリタオートのYouTubeを見て電話したらしい。また掛け直すと言っていた。」
成田は思った。
(動画で紹介した整備のやり方が間違ってるとか、絶対にボロクソ言われるんだ・・・)
成田は錯乱し、更に戦慄した。
が、お昼頃には忘れていた。
なぜなら、その日の夜も女の子との飲み会だったからだ。
小山自動車からの次の電話は、最初の電話の翌日の夜の事だった。
その日の夜も、もちろん成田は不在だった。
また翌朝、
成田父「今度はこっちからかけなおしてほしいだと。ほら、これが小山さんの携帯番号。」
成田は思った。
(これ絶対、1時間くらいかけて大説教されるやつだ・・・)
過去に何度かナリタオートのYouTubeの動画が炎上し、ボロクソ言われた事があり、成田はそれがトラウマだった。
どうも成田です。
花粉症で辛く、マスクは手放せず、しかし体脂肪率が気になるから毎日懸垂している日々を過ごしています。
プロジェクトX、プロフェッショナル仕事の流儀も涙と鼻血を出しながらティッシュまみれになって見るくらい大好きな成田です。
冒頭の文を、それらの番組のナレーション風に書いてみました。
脳内再生可能な方は、中島みゆきの地上の星やスガシカオのProgressをBGMにもう一度読んできてください。
まあ、上記のような事(流れは事実)がありまして、無事、広島県は福山市にある小山自動車の小山博久さんとお電話させて頂きました。
電話の内容は半分がリアルにボロクソ言われ、半分がご本人が「勉強になった」というお話でした。
こんなペーペーな僕が発信している整備情報のちょっとした事が勉強になっただなんて恐縮です・・・
博久さんは66歳(2018年4月1日現在)とのことでしたが、各種業界情報誌からだけでなく、インターネットでも情報収集を積極的にされているとのこと。
ナリタオートのYouTubeだけでなく、Instagramまで・・・
さすがにInstagramのアカウントは持ってないとの事でしたが。
で、僕は「これはとんでもねぇチャンスだ」と思い、思い切って「ぜひ一緒にお酒をガブ飲みながらお話したいので、泊まりで訪問させてください。」と伝えたところ、二つ返事で快諾して下さり、僕の最短で訪問できる日(2018年3月31日〜4月1日)で、弾丸ツアーのごとく、訪問させて頂いた内容を、この記事に凝縮した次第でございます。
結論から書きますと、
・ナリタオート(成田)の知識、技術を1とすると小山自動車さんは53万くらい
・自分が何も知らないということを知れた
・技術の90%はお金で買うもの
でした。
では訪問記に入ります。
約2年前、プロフェッショナル仕事の流儀を見た僕は「小山自動車さんすんげー!!! でも、車検整備だけなら小山自動車さんに追いついてみせるー!」なんて、思って調子に乗っていました。
でもまさか、ご本人から連絡を頂き、訪問させて頂く事になるなんて、夢にも思っていませんでした。
”ご本人から連絡を頂き”
大切な事なので2回書きました。
訪問させて頂き、いろいろな設備や道具を見せて頂き、その目的、それで何ができるのか等、いろいろ教えて頂きました。
所有されている設備や道具だけで、ざっと見積もって数億円規模でした。
ナニコレ、チート工場?
ちなみにナリタオートの工場にある設備や道具の総額は、せいぜい3千万円程度です・・・たぶん・・・
まず所有している道具の量の差で「俺、今日、情報量で殺されるわ」と思いました。
実際に、自分の無知さ加減でボロクソ言われ、精神的に100回は殺されました。。。マジで・・・
「技術の90%は道具で買える」という小山自動車さんの持論から伺えるように、見たことも無い整備道具を次々と見せられました。
自分の無知さ加減に精神が崩壊し、動画も写真も撮り忘れていました。
少ない写真の中から抜粋し、気になったのがこちら。
「キーレストランスミッターの電波の出具合チェッカー」
これ、心底欲しかったです。
こういうものが実在していて、しかも販売されていたなんて、全くもって知りませんでした。
小山自動車さんはご兄弟で経営されていて、車検整備等の基本的な整備の部分を兄の明(あきら)さんが担当されていて、故障、チューニングの分野を博久(ひろひさ)さんが担当されています。
(今回は弟さんの博久さんが僕にお電話をくださいました)
兄の明さんは言いました。
「こんなん、業界の情報誌見てたら発売時に絶対載ってるし、知らんほうが勉強不足じゃけん。だらしない。」
と、先制攻撃で痛恨の一撃を受け、ゲームオーバーな状態でした。
ボロクソ言いながらも、工場案内を淡々と案内して下さいました。
明さん「ミッションオイルは交換したらいちばん体感できるオイルじゃけん、どんな車種でも即交換できるようにしてあるけん。」
(広島弁、合ってますか・・・?)
体感できる車検
これを前提条件で車検をされているとのことで、とにかく体感できる整備を徹底的にされていました。
僕(ナリタオート)も同じ方針でしたが、レベルが違いすぎて、会話中に何度もリアルに泣きそうになってました。
(男の子なので涙はこらえました)
完膚なきまでにとは、ほんとこの日の体験の事を言うのだなと、心底思いました。
他にもいろいろ見せて頂きましたが、いちばん衝撃的だったのはこちら。
業界紙の購読量が半端ないのです。
明さん「この本知っとるか?」
成田「し、知りません・・・」
明さん「こっちは?」
成田「初めて見ました・・・」
明さん「日刊自動車新聞は?」
成田「とってません・・・」
圧迫面接でした。
でも、怒るわけではなく”業界の流れを読む”事の大切さを淡々と語ってくださいました。
僕自身、スマホアプリのニュースピックスやニュースダイジェスト、ITメディア等で時々出てくる自動車業界のニュースを読んで満足していました。
明さん「今の若いもんはすぐにスマホスマホでダメじゃけん。スマホじゃ知れん情報が、まだまだ業界紙にはあるけん、業界に従事しとるんなら、読まないかんで。」
と、今の若いもんトークで終わるかと思いきや、なぜスマホだけじゃダメなのかを明確にご指摘下さいました。
とまあ、そんな感じのボロクソ訪問記でした。
訪問させて頂いたのは3月31日の夕方でして、いろいろと工場を見せて頂いたのは翌日の4月1日でした。
エイプリルフールなので、嘘の様な現実を見ていて、いろんな意味で何が何だかわからなくなりました。
31日の夜は博久さんとご一緒させて頂き、なんとご自宅に宿泊させて頂くという、それこそ意味不明な体験をさせて頂きました。
手ぶらでご訪問するわけにはいきませんので、何か藤枝のお土産として持っていって喜んでもらえるものは無いかと思い、鈴木酒店さんの小石川美杉(藤枝にある杉井酒造さんの日本酒)を渡しました。
苦笑いして受け取って下さいました。
いろんなお話をさせて頂き、また、聞かせて頂きました。
いちばん伺いたかった、
成田「なぜたくさんあるYouTubeの整備動画の中から僕を選んで連絡くれたのですか?」
と問いたところ、
博久さん「いちばんえらそうじゃなかったところじゃけん」
とおっしゃって下さいました。
どうも、YouTubeの整備の動画を投稿している人は”偉そう”だったり”上から目線”だったりするのだそうです。
僕は他を見ると凹みそうだから他の整備動画を見ないようにしていますので、他がどうなのかは知りませんでした。
それに、動画を投稿するときは「こう思います。。。どうなんでしょうか。。。」という感じで動画を閉めるようにしているので、それが謙虚な感じという風に受け取ってもらえたようです。
「誇りはもっても自信は持たない」
何度もおっしゃってました。
僕も自分の整備技量には自信はありませんが、姿勢に対する誇りはありますので、とにかく「もっと良い整備方法があるのではないか」と、模索、研究は欠かしません。
その整備に対する姿勢を評価して頂けたみたいで、僕にお電話して下さる事に繋がったそうです。
でも、
・記事で読んだ整備工場には気になったらすぐに電話する
・わからないこと、気になったことはすぐにディーラーなりメーカーなり電話して確認する
・新しく出来た近場の整備工場には絶対に見学に行く
と、僕に電話をくれた事はごく自然な事であり、他にもされているとの事でした。
なんだよ、意図無くボディータッチの多い女の子に惚れちゃった男の子みたいじゃないか。
連絡を頂けた事でちょっと調子に乗りかけてましたが、それが小山自動車さんの普通ということを知り、
(小山自動車さんにとっては気になった整備工場のひとつにすぎない)
という、なんとも言えない虚無感を感じながら、静岡への帰路につきました。
帰りの新幹線に乗る前、
目の前にエヴァカラーの新幹線がとまりました。
通常でしたらこれを見たら大興奮していたはずですが、自分の無力感と虚無感に包まれていた僕は、ぼけーっとしながら走り去ろうとする新幹線のこの1枚の写真を撮るのが精一杯の行動でした。
今後の話ですが、
・小山博久さんが日本中の整備士に伝えたい整備情報を僕(ナリタオート)が代理でお届けする
・その為に定期的に小山自動車さんにお邪魔させて頂く
という、口約束をしてきました。
僕なんかがそんな大役を勤めさせて頂けるなんて恐れ多いのですが、精一杯、勉強しまくって、小山自動車さんの技術を日本中に広めていきたいと思います。
以上、成田ことナリタオートが、日本のトップの自動車整備工場の小山自動車さんを訪問させて頂いた記事でした。
ここまでお読み下さいまして、本当にありがとうございました!!!
続きの記事です。
後日また訪問させてもらい、1日現場体験で勉強させてもらってきました!↓↓↓↓↓