- ブレーキパッドまわりのグリスアップについて
- 2018年4月26日こだわり整備
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ブレーキパッドまわりへのグリスアップはいろんなご意見があり、様々なやり方があると思います。
なのでこの記事の内容は必ずしも正解というわけではありません。
整備士のナリタ個人が見聞きし、実践してきた結果、下記の様なやり方にたどり着いたという内容です。
ちなみにこの記事は下記動画を補足する内容でもあります。
ナリタオートが大事にしているところ
・ブレーキパッドがしっかり動き、そしてキーキー鳴かない事
・次回の整備が楽になるようにする事
・使用グリスは最小限に抑える事
(動画と言っている事が多少違うかも知れませんがご了承下さい)
サポートプレートとブレーキパッドが接する面を清掃
サポートプレートが汚れているとブレーキパッドがしっかり動きません。
又、ブレーキパッド側も同じです。
必ず汚れを落としてからグリスを塗っています。ワイヤーブラシで徹底的にキレイにします。清掃前
清掃後
ブレーキパッドの方もしっかり磨きます。
詳しくは以下動画で説明させてもらっています。
サポートプレートに塗布するグリスはWAKO'Sのスーパーシリコングリス(スプレータイプ)を使用
耐久性があり、次回の点検時に拭き取りやすいのがメリットです。
当初はトヨタ部品共販さんから販売されているシリコーンルーブを使用していました。
これはこれで今でも別の部分で使用していますが、WAKO'Sのシリコングリスと比べると耐久性が物足りなく、1年ほどで酸化してしまったり。
酸化してしまうとブラシで磨き落とす作業が大変です。そしてWAKO'Sのシリコングリススプレーのもう一つのメリットは、拡散範囲が狭く、適量を吹き付けられる事です。
ドライブジョイのシリコンルーブはとびちるので、無駄撃ちが多かったです。
適量を目的の範囲内に塗れるのは、経済的に大きなメリットです!
ブレーキパッドが面で接する部分に塗る
サポートプレートとブレーキパッドが接している面は色が変わっていたりするので、見ればわかると思います。
塗布前
塗布後
上の写真のサポートプレートとブレーキパッドは以下の様に組まれます。
わかりにくいので断面図にしました。
赤い部分がサポートプレートとブレーキパッドが接している部分です。
面で接している部分にグリスを塗布しています。
点で接している部分はグリスを塗ってもほとんど効果が無いと思われるため、2018年4月現在では塗っていません。ブレーキパッドはシムとパッドの間にブレーキプロテクターグリスを塗る
ここではWAKO'Sのブレーキプロテクターグリススプレーを使用しています。
理由は何度でも言いますがWAKO'Sが大好きだからです。
グリスを塗布する前にブレーキパッド背面とシムをパーツクリーナーで清掃しておきます。
キレイにしてから、ブレーキプロテクターグリスを塗布します。
そしてブレーキパッドに組みます。
手のひらに書いてある数字は点検中の車両の走行距離です。
意味はありません。
この時、グリスを塗布しすぎてハミ出てくる部分があります。
ハミ出たまま組み付けると、その部分にブレーキダストが付着し、次回点検時に拭き取るのが大変になります。
未来の自分に迷惑をかけられないので、すぐにウエスで拭き取ります。
そして、いちばん外側のキャリパー本体やピストンと接する面には塗りません。
上記写真の面に塗布した場合、キャリパーで挟み込んだ後にハミ出る部分を拭き取る事が難しいため、上に書いたようにブレーキダストで汚れるので、次回点検時、拭き取る作業が大変です。
余計な作業を増やすと未来の自分に怒られます。。。
ちなみに、この部分に塗らなかった事によってキーキー鳴く事例はありません(2018年4月現在)。それでもキーキー鳴る場合は個別対応
・上記以外の場所にもグリスを塗布してみる
・パッドの表面を削り、面圧を上げる
等など。
ブレーキが正常な状態でキーキー鳴いてしまうと、心底自分が泣きたくなります。
以上、ブレーキパッドまわりのグリスアップについてご説明させて頂きました。
ご参考になればワイワイです。